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宮沢 賢治
1924年 · 約5,298字
二人の若い紳士が、すっかりイギリスの兵隊のかたちをして、ぴかぴかする鉄砲をかついで、白熊のような犬を二疋つれて、だいぶ山奥の、木の葉のかさかさしたとこを、こんなことを云いながら、あるいておりました。
山奥で道に迷った二人の紳士が、立派な西洋料理店を見つけます。扉をくぐるたびに新しい注文書きが現れる。髪をとかせ、靴の泥を落とせ、壺のクリームを塗れ。言われるままに従ううち、何かがおかしいと気づきはじめます。
この作品は、扉に書かれた文字そのものが物語を進めます。本来なら地の文に埋もれてしまうその一枚一枚を、吹き出しとして一つずつ見せられるのは、この形式ならではだと思います。読者が紳士たちと同じ速さで気づいていく感覚を、ぜひ味わってください。
出典: 青空文庫(底本「注文の多い料理店」新潮文庫、新潮社 1990年/入力 土屋隆/校正 noriko saito)。著作権の保護期間が満了した作品です。
読み上げは合成音声です。声優が読んだ録音ではありません。